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「加盟店が脱退する」と聞くと、事業がうまくいかなかったのではないかと感じるかもしれません。
今回お話を聞いたのは、テナントの窓口に約2年半加盟した横浜駅前店の浅田さんです。店舗仲介をゼロから学び、加盟費用を回収できるだけの成約を重ねたうえで、別の不動産事業へ軸足を移すために脱退を決めました。
この事例から見えるのは、事業の良し悪しだけで継続を判断するのではなく、自社の規模、資金、得意分野、将来像に合わせて事業を選ぶ重要性です。
この記事では、加盟前の課題から2年半で得た成果、脱退理由、テナント仲介と買取再販の違いまで、本人の経験に沿って整理します。
- テナント仲介で得られた成果とノウハウ
- 加盟店が脱退を決めた2つの理由
- 6つの不動産事業を経験して感じた収益性と難しさ
- テナント仲介が向く会社・向かない会社の条件
- 脱退事例から運営側が受け取った改善課題
- 不動産独立後の事業選びに迷っている方
- 店舗仲介を新しい収益の柱にしたい方
- 仲介と買取再販の違いを実例から知りたい方
- フランチャイズ加盟を成果だけでなく適合条件から判断したい方
結論:脱退はテナント仲介の失敗が理由ではない
今回の脱退は、店舗仲介で成果が出なかったからではありません。
浅田さんは店舗仲介をゼロから学び、複数のテナント成約を経験しました。加盟にかかった費用も十分に回収でき、身につけたノウハウは脱退後も自社に残ります。
そのうえで、会社をさらに大きくしたいという将来像と、買取再販で得られた成果を照らし合わせ、主力事業を組み替える判断をしました。
浅田さん: テナント仲介の仕方は全然分からなかったので、1から教えてもらいました。加盟の料金も十分回収できましたし、ノウハウは今後もなくなるわけではありません
脱退という結果だけで事業を評価せず、加盟中に得たものと、次に選んだ事業の理由まで見ることが大切です。
加盟前の課題と、2年半で得た成果
浅田さんは不動産業界で約13年の経験があり、独立後は自社で不動産会社を経営していました。
当時は一括査定を使った集客が厳しくなり、次の収益の柱を探していたといいます。私のYouTubeをきっかけに面談し、最初の面談ではすぐに加盟を決めず、改めて話したうえで参加しました。
加盟後、最初のテナント契約までは約7か月かかりました。その間は既存の仕事で売上をつなぎ、テナント成約が出始めてからも黒字で経営を続けています。
シミュレーションゴルフ、チェーン店、地場のテナントなど、扱った案件も一つの業態に限られませんでした。
浅田さん: 最初の契約までは7か月ぐらいかかりましたが、その頃にはテナントの契約も続いてきて、ずっと黒字でやってこられました
店舗仲介は、住宅賃貸のように短期間で契約が決まるとは限りません。だからこそ、初成約までの運転資金と既存収益を見込んでおく必要があります。
成果が出るまでの時間を見込んだうえで、学習と営業を続けられるかが最初の分かれ目です。
別の加盟店が未経験から初成約へ進んだ過程は、加盟後6か月で店舗仲介の初成約に至った実例で確認できます。期間の長短だけでなく、初成約までに何を積み上げたかを比較すると、自社の準備課題が見えやすくなります。
脱退を決めた2つの理由
店舗仲介が黒字でも、経営者が描く会社の将来像と一致しなければ、事業構成を見直す場面はあります。
浅田さんが脱退を決めた理由は、大きく2つです。
- 会社を大きくしたい将来像と、現状の店舗仲介の規模感にずれが出た
- 買取再販で大きな成果が出て、主力事業を切り替える理由ができた
会社を大きくしたい将来像とのずれ
浅田さんは、将来的に社員を増やし、会社を大きくしたいと考えていました。
一方、店舗仲介を実際に続けるなかで、現在のやり方では一人分の仕事としては成立しても、20人、30人と組織を拡大する事業像には合わせにくいと感じたそうです。
これは、店舗仲介に利益がないという話ではありません。求める会社規模と、事業の広げ方が一致しなかったという本人の経営判断です。
浅田さん: 会社を大きくしたいと思っていましたが、やっていくうちに一人分の仕事という感覚があり、自分が描く会社像と合わなくなってきました
利益が出る事業でも、自社の成長方針に合わなければ主力から外す判断はあり得ます。
買取再販で大きな成果が出た
浅田さんは、飛び込み営業、賃貸、売買仲介、管理など複数の事業を試すなかで、買取再販に取り組みました。
動画内の本人申告では、3か月で約1,200万円の成果が出たといいます。そこで、買取再販を今後の主力にし、物件が売れるまでの間は部下が店舗仲介を続ける体制を選びました。
浅田さん: 買取再販がうまくいったので、これを一本でやっていこうと考えました。売れるまでの間は、店舗仲介を部下にやってもらいます
買取再販は一件あたりの利益が大きくなる可能性がありますが、誰でもすぐに始められる事業ではありません。
浅田さん: 買取再販は、何年か決算書を作り、自己資金を用意して、黒字を続けていないと融資を受けにくいので、誰でもすぐにできる事業ではありません
買取再販へ移れたのは、約13年の業界経験と会社の実績が積み上がっていたからです。 創業直後の経営者が同じ順番をそのまま再現できるとは限りません。
実体験で比較した6つの不動産事業
浅田さんは、自社で試した事業を収益性や続けやすさの観点から比較しました。
以下は、動画内で語られた本人の経験に基づく整理です。地域、経験、集客力、資金力によって結果は変わるため、全社共通の順位ではありません。
| 事業 | 本人の評価・経験 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 飛び込み営業 | 最も厳しかった | 約300件回っても成果につながりにくく、オートロック等の地域条件も影響 |
| 居住用賃貸仲介 | 収益性は低め | 一件あたりの単価が低い |
| 管理 | 難しい | 管理戸数を新たに獲得しにくい |
| 住宅売買仲介 | ミドルリスク・ミドルリターン | 反響を得るため広告費が必要 |
| テナント仲介 | ローリスク・ミドルリターン | 広告費を抑えやすく、一件の仲介報酬が比較的大きい |
| 買取再販 | 最も大きな成果 | 一件あたりの利益が大きい一方、資金・融資・目利きが必要 |
この比較から分かるのは、利益額だけで事業を選べないことです。
買取再販は大きな利益を狙える反面、物件を仕入れる資金と在庫リスクを負います。テナント仲介は自社で物件を買い取らないため、仕入れ原資を抱えずに始めやすい一方、契約まで時間がかかることがあります。
資金が少ない創業期と、決算実績が積み上がった成長期では、選べる事業が変わります。
テナント仲介が向く人・向かない人
浅田さんの経験を踏まえると、テナント仲介が向くのは次のような方です。
浅田さん: 創業したばかりの方は、買取再販をすぐにできるとは限りません。そういう方には、ローコストでできるテナント仲介はいいと思います
反対に、現在のやり方のまま20人、30人と社員を増やす会社を目指す場合は、店舗仲介だけで組織を支えるのか、別の収益源を組み合わせるのかを検討する必要があります。
ただし、この人数感は浅田さん個人の経験に基づく評価です。店舗仲介の仕組み、集客、分業、管理収益との接続を改善すれば、事業の広げ方は変わります。
向き・不向きは「儲かるか」だけでなく、資金、会社規模、得意分野、目指す成長速度の4点で判断してください。
店舗仲介を不動産開業の主力にする考え方は、店舗仲介が独立事業として注目される背景もあわせて読むと、市場面から整理できます。
脱退後もノウハウと関係は残る
浅田さんは加盟を外れた後も、店舗仲介そのものをやめるわけではありません。身につけたノウハウを部下へ引き継ぎ、自身は買取再販を中心に動く方針です。
私たちとの関係も、脱退と同時に切れるわけではありません。今後も投資物件などで取引できる可能性を話し、円満に次の段階へ進むことを確認しています。
脱退は、学んだことや築いた関係をゼロに戻す手続きではなく、経営資源の配分を変える判断でした。
運営側が受け取った改善課題
今回の話を聞いて、私は寂しさだけでなく、うれしさも感じました。
店舗仲介という選択肢が、次の事業へ進むための経験と収益の土台になったからです。一方で、加盟店が会社を大きくしたいと考えたときに、続けやすい環境や新しい勝ち筋を十分に用意できなかった点は、運営側の課題として受け止めています。
浅田さん: 報告費をあまりかけずにできるところはよかったです。ただ、成果が出るまで時間がかかることと、近いエリアでは規模を広げにくい部分はあると思います
脱退理由を隠さず共有するのは、マイナス情報を強調するためではありません。向く人と向かない人の条件を明確にし、仕組みを改善する材料にするためです。
加盟数だけでなく、加盟店が成長段階ごとに選べる道を増やすことが、運営側の次の課題です。
よくある質問
Qテナント仲介の初成約までどれくらいかかりますか?
浅田さんのケースでは、最初の契約まで約7か月かかりました。ただし、これはすべての会社に共通する標準期間ではありません。
初成約までの期間は、地域、扱う業態、物件情報、営業量で変わります。開業時は、契約まで売上がなくても継続できる運転資金と、既存収益の有無を先に確認してください。
店舗仲介で契約までに時間がかかる理由は、店舗不動産仲介が難しい理由10選でも詳しく解説しています。
Qテナント仲介は広告費を抑えられますか?
今回のケースでは、ロイヤリティを除いた広告費は月約1万円でした。住宅売買仲介と比べ、広告への依存を抑えながら利益を残しやすいという本人評価です。
ただし、この金額は浅田さんの集客経路と地域に基づく個別事例です。自社で必要なポータル費、営業人件費、物件開拓費まで含めて試算してください。
Q創業直後から買取再販へ参入できますか?
買取再販は、誰でもすぐに始められる事業とは限りません。金融機関から融資を受けるには、複数年の決算実績、黒字経営、自己資金などが必要です。
創業直後は、仕入れ原資を抱えない仲介で実績と財務基盤を作る方が現実的な場合があります。
Q加盟を脱退したら店舗仲介を続けられませんか?
今回の事例では、浅田さん自身が買取再販へ集中し、店舗仲介は部下へ引き継ぐ方針です。加盟中に身につけた実務ノウハウも、自社内に残ります。
これは今回の運用事例です。実際に脱退後も同じ業務を続ける場合は、各社の契約内容と利用できる商標・システムの範囲を確認してください。
Q脱退すると本部との関係も終わりますか?
少なくとも今回の脱退は円満で、関係が切れるわけではありません。
今後も投資物件などで協力する可能性を話しており、加盟契約と取引関係を分けて考えています。ただし、すべてのフランチャイズ契約が同じ条件ではないため、一般化はできません。
まとめ:事業の良し悪しではなく、自社との適合で選ぶ
浅田さんがテナントの窓口を脱退したのは、店舗仲介で成果が出なかったからではありません。
約2年半で加盟費用を回収し、複数の成約とノウハウを得たうえで、会社を大きくしたい将来像と買取再販の成果を踏まえ、主力事業を切り替えました。
テナント仲介は、仕入れ原資を抱えずに始めやすく、少人数で専門性を築きたい創業期の経営者に向いています。一方、組織を大きくする場合は、店舗仲介の分業を進めるか、管理や売買、買取再販など別の収益源を組み合わせる視点が必要です。
大切なのは、人気や一件の利益額ではなく、自社の資金、規模、経験、将来像に合う事業を選ぶことです。
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