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結論から言うと、たまっちさんが長く付き合いたいのは、難しい条件でも一緒に可能性を探し、違えば修正できる担当者です。

反対に、自社の売上や融資枠を先に考え、希望と関係のない物件へ急がせる担当者とは距離を置きたくなるといいます。

今回は、不動産経営歴14年、直近10年は専業で不動産経営・投資に取り組むたまっちさんを迎えました。

私は不動産会社側から実務上の論点を出し、大家側と不動産会社側の判断がどこで重なり、どこで食い違うのかを掘り下げます。

なお、この記事は大家全体への調査結果ではありません。たまっちさんが14年の経験から語った本音と、私の不動産実務の見方を整理した対談記事です。

この記事でわかること
  • たまっちさんが長く付き合いたい担当者の共通点
  • 厳しい条件へ代替案を出すときの考え方
  • レインズや「未公開」を提案価値へ変える方法
  • 年齢・宅建・会社規模より見られていること
  • 短期成約を迫らず、売上機会を作る考え方
この記事がおすすめな人
  • 大家との関係づくりを見直したい不動産営業の方
  • 条件外の物件をどう提案するか迷っている方
  • 売買仲介や店舗仲介の提案力を高めたい方
  • 不動産業で独立後の営業方針を考えている方

結論:たまっちさんが長く付き合いたいのは、取引後の利益まで考える担当者

たまっちさんが最初に挙げたのは、厳しい条件でも「ありません」で終わらせず、一緒に探してくれる担当者でした。

情報の速さや数だけではなく、買った後に自分の利益が残るかまで考えているかを、提案内容から見ています。

「この取引で自分の目的や利益まで考えてくれているか」が、長く付き合う相手を決める基準です。

対談の冒頭では、まず話す立場をそろえました。

くっつー: 不動産会社だけで話していると、どうしても不動産会社目線になります。今日は耳の痛い話も含めて、大家さんの本音を率直に聞かせてください。

たまっちさん: 僕は不動産会社の皆さんに助けてもらって今があります。だからこそ、付き合いたい不動産屋と付き合いたくない不動産屋を率直にお伝えしたいです。

たまっちさんの希望条件は、10人中9人の不動産会社から断られるほど厳しいことがあるそうです。

それでも、条件に近い物件を探し、見つかったときに早く知らせてくれる担当者をありがたいと感じています。

たまっちさん: 難しい条件でも、一緒に探してくれる方が一番ありがたいです。こちらも、守ってほしい条件と妥協できる条件はしっかり伝えます。

ここで、不動産会社側には短期と長期で違う判断があります。

条件を細かく見ず、すぐ買ってくれる顧客は、目の前の成約だけを考えればありがたいかもしれません。

しかし、その物件で大家に利益が残らなければ、次の相談にはつながりません。

くっつー: ただ買ってもらえればよいわけではありません。長く付き合うなら、大家さんにも利益が残り、お互いに生き残れる取引が大事です。

たまっちさん: 僕らは買った後の経営を頑張ります。不動産会社には仕入れや情報の部分で力を貸してもらい、長く付き合える関係を作りたいです。

両者の役割は同じではありません。

大家は購入後の経営を担い、不動産会社は物件情報や交渉で判断を支える。その役割がつながって、初めて長い関係になります。

対談の結論

大家の希望を何でも肯定することではありません。条件が難しい理由を伝えたうえで、買った後の利益を守れる別案を一緒に探す担当者が信頼されます。

厳しい条件への提案は、優先順位・情報・交渉の3つで深くなる

難しい条件へ価値を出す方法は、物件数を増やすことだけではありません。

優先順位を聞き、顧客が知らない情報を届け、売主や元付けとの交渉まで動くことで、提案の深さが変わります。

条件が多いときは、1番と2番を聞く

たまっちさんは、不動産会社から「その条件では出ません」と返されること自体には理解を示しました。

日々の業務が忙しく、可能性の低い案件へ時間を割きにくい事情も分かるからです。

ただ、私はそこで終わってよいとは思いませんでした。

くっつー: 不動産会社が忙しいのは事実ですが、私は「仕方ない」で終わらせたくありません。大家さんに利益が残らない物件を売っても、長い関係にはならないからです。

この意見に対し、たまっちさんも「すべての条件を守ってほしい」とは求めていません。

条件が多い場合は、次の順番で話すと提案を続けやすいと答えました。

  1. 一番守りたい条件を決める
  2. 二番目に守りたい条件を決める
  3. エリアや築年数など、ずらせる条件を考える
  4. 提案が違ったら、反応を受けて修正する

京都の一棟RCは、なぜ条件外でも検討できたのか

この考え方が最もよく分かるのが、京都の一棟RCマンションの例です。

たまっちさんは当時、首都圏の一棟RCを探していました。ところが、担当者から届いたのは京都の物件でした。

エリアだけを見れば条件外です。

それでも、ほかの条件が合い、欲しかったキャッシュフローにもつながる提案だったため、きちんと検討できたといいます。

たまっちさん: 首都圏で探していたときに、京都の一棟RCを提案されました。エリア以外は条件に合い、欲しかったキャッシュフローにも合う提案でした。

私はこの話を、条件表だけで物件を合わせる営業との違いだと受け取りました。

くっつー: 物件条件だけでなく、「この人はどのような生活をしたいのか」まで聞くということですね。目的が分かれば、エリアを外しても意味のある提案になります。

たまっちさん: 条件が多いなら、まず1番と2番を聞けばよいと思います。エリアや築年数をずらし、違うと言われたらまた修正すればよいです。

条件外提案では、外した条件と、それでも守った価値を同時に説明することが重要です。

条件外提案が押し売りになる境界

「融資が付くから」だけでは営業側の都合です。「エリアは外れるが、最優先のキャッシュフローは守れる」と説明できれば、検討可能な別案になります。

レインズだけの情報は、顧客が知らなければ価値になる

大家は、普段から不動産ポータルサイトを見ています。

すでに見た掲載情報を転送するだけでは、担当者ならではの価値を感じにくくなります。

くっつー: ポータルには出ておらず、レインズだけに載っている物件を紹介するのはどうですか?

たまっちさん: レインズは一般の買主が見られません。ポータルに出ていない物件なら、紹介してもらえるのは嬉しいです。

大切なのは、情報源の名前ではなく、顧客がまだ知らない情報かどうかです。

さらに、たまっちさんは売主や元付けへ希望を伝え、交渉してくれる担当者も評価しています。

「未公開」と「儲かる」は、同じ意味ではない

未公開物件の見方では、不動産会社側と大家側の違いがはっきり出ました。

たまっちさん: 「未公開」と言われても、ポータルだけなのか、レインズにも出ていないのかが分かりません。未公開であることと、儲かることは別です。

くっつー: 不動産会社にとって「未公開」の3文字は強く光ります。情報を扱う業界なので、限られた情報に価値を感じるのは事実です。

たまっちさんも、情報産業として限定情報に価値があること自体は否定していません。

ただし、公開範囲が狭いことは、収益性の証明ではありません。

「未公開であること」と「その物件で儲かること」は、分けて説明する必要があります。

「未公開です」で提案を終わらせない

ポータル未掲載なのか、レインズにも未掲載なのかを分けます。そのうえで、顧客の条件に合う理由を伝えて初めて提案になります。

売却では、希望価格を否定する前に試し方を話す

たまっちさんが見ているのは、購入時の物件紹介だけではありません。

売却では、高めの希望価格を伝えたときに、担当者がどう返すかも見ています。

たまっちさん: すぐに「その価格では難しい」と言うのではなく、見せ方を工夫して半年試してほしいです。難しければ一度下げ、期間を置いてまた出す方法も一緒に考えてほしいです。

希望価格を無条件に肯定してほしいわけではありません。

半年試す、一度下げる、期間を置いて再掲載するという具体策まで話せるかが、寄り添う担当者との違いです。

年齢・宅建・会社規模より、「誰がどう動くか」を見られている

たまっちさんは、ベテランか若手かだけで担当者を選びません。

年齢や資格を入口にしつつも、寄り添い、学び、修正する行動を見ています。

若手でも、寄り添いながら修正できれば依頼したい

たまっちさん: 年齢はあまり気にしていません。若手でもこちらの意向に寄り添い、失敗から修正しながら進めてくれるならお願いしたいです。

若手であること自体が不利なのではありません。

ただし、最新の融資情勢やエリア情報を学ばなくてよいという意味でもありません。

分からないことをそのままにせず、次の対応で更新できるかが見られます。

若手でも、顧客の意向へ寄り添い、違えば修正できる担当者は依頼の対象になります。

宅建の有無だけでは決まらないが、実務は必要

宅建については、たまっちさん自身が14年の経験を持つことを前提に受け取る必要があります。

本人は資格の有無だけで担当者を決めませんが、初心者の大家には安心材料になる可能性もあると補足しました。

私は、宅建の勉強だけで実務力が完成するわけではないと考えています。

くっつー: 宅建の勉強に加えて、取引の進め方や価格交渉も学んでほしいです。買主と売主の双方へ寄り添う実務経験も必要です。

宅建を軽視する話ではありません。

資格が必要な業務を正しく行いながら、取引と交渉の経験を積むという話です。

宅建を独立・副業・転職へどう活かすかは、宅建士が「最強の資格」と言われる4つの理由で詳しく解説しています。

連絡手段は、相手の好みを確かめる

連絡手段に、すべての顧客へ共通する正解はありません。

たまっちさん個人は、通常の連絡にはメールやLINE、急ぎの場面には電話という使い分けを好みます。

たまっちさん: 基本はメールやLINEで、急ぎのときに電話というバランスが僕は嬉しいです。

これは「大家には必ずLINE」というルールではありません。

相手がどの連絡手段を望むかを、最初に確認することが大切です。

大手か中小かより、自分に付いた担当者を見ている

たまっちさんは、会社の規模だけで依頼先を決めていません。

自分に誰を担当として付けたのか、やり取りを通してある程度分かると話します。

ただし、若手を付けること自体が問題なのではありません。

たまっちさん: 経験が浅くても、担当者には堂々としていてほしいです。「自分ならできる」というくらいの気持ちで向き合ってほしいですね。

くっつー: 結局は「人」ですね。会社名や年齢ではなく、任された担当者がどう向き合うかが見られています。

たまっちさん: 人間力と社会人としての基本、寄り添う気持ちです。すぐ売上を取りに来る人より、何年も付き合える方が嬉しいです。

若手でも信頼につながる3つの行動

顧客の意向を聞く、最新の融資やエリア情報を学ぶ、提案が違えば修正する。この3つは年齢や会社規模にかかわらず実行できます。

付き合いたくないのは、失敗した担当者より「顧客を見ていない担当者」

不動産取引では、担当者が誠実でも結果が悪くなることがあります。

たまっちさんが分けているのは、事業上の失敗と、最初から顧客を見ずに売る行為です。

たまっちさん: 営業数値のためだけに動く人は分かります。「早く買わないと損」と急かし、希望と関係なく、融資が付きそうな物件を出されると寄り添っていないと感じます。

条件外の物件でも、京都の一棟RCのように、最優先の目的へつながる理由があれば提案になります。

一方、「融資が付く」「自社が売りたい」という理由しかなければ、出発点が顧客ではありません。

私はさらに、過去に騙されたと感じる取引がなかったかを聞きました。

くっつー: 結果として儲からなかったことと、最初から騙すように売られたことは、分けて考えていますか?

たまっちさん: 「この物件はいい」と聞いて買い、結果的にうまくいかなかったことはあります。それは事業なので起こり得ますが、最初から売上のために騙そうとすることとは別です。

この区別は、不動産営業にとって重要です。

結果を保証できないからこそ、顧客の希望から出発し、誠実に提案したかが問われます。

結果的な失敗と、最初から売上のために顧客を無視することは別です。

期限説明と、成約を急かす営業を混同しない

取引上の期限を伝えることは必要です。ただし、自社の営業数値を優先し、顧客の希望と関係のない物件へ急がせれば信頼を失います。

長期関係と売上は、一人を急かさず複数の顧客とつながって両立する

不動産会社には売上目標があり、一人の顧客だけを何年も待つことはできません。

たまっちさんは、だからこそ複数の顧客と関係を持ち、買いたい・売りたいタイミングで連絡する考え方を示しました。

くっつー: 営業担当者にも売上やノルマがあります。長期の関係と目の前の成績は、どう両立すればよいでしょうか?

たまっちさん: 薄い関係でも複数のお客様とつながり、買いたい、売りたいタイミングで定期的に連絡すればよいと思います。一人を急かさなくても、売上の機会は作れます。

この回答は「売上を追わなくてよい」という話ではありません。

一人の顧客だけで今月の数字を作ろうとするから、必要以上に成約を急がせてしまいます。

一人へ短期成約を迫るのではなく、複数の顧客と関係を保ち、動くタイミングで深く対応します。

くっつー: 信頼されると、「この大家さんにお願いしたい」「この不動産会社にお願いしたい」と、お互いに選び合う関係になります。最初は時間がかかっても、積み上げる価値があります。

たまっちさんは、サラリーマン時代に営業やマーケティングを経験しています。

現在はVoicyや書籍などで大家側の考えを発信し、不動産会社へ本音を伝える活動にも取り組んでいます。

たまっちさん: 物を売る側の事情も分かります。そのうえで、大家は実際にどう思っているのかを、不動産会社の皆さんへ伝えたいです。

私は、不動産会社同士の会話だけで業界の常識を作らないことが大切だと考えています。

くっつー: 不動産会社が不動産会社とだけ付き合っていても、見方は広がりません。もっと大家さんとつながり、実際の意見を聞いてほしいです。

動画の終盤では、Xで知り合った不動産会社との実取引が増えている話も出ました。

SNSだけが正解ではありませんが、取引前から考え方を知り、接点を作る方法の一つです。

長期関係を売上につなげる考え方

一人を急かす代わりに、複数の顧客と接点を保ちます。信頼ができた相手と、買いたい・売りたいタイミングで取引できる関係を目指します。

よくある質問

Q
たまっちさんの意見は、すべての大家に当てはまりますか?

A

いいえ。この記事は、たまっちさんの14年の経験に基づく見方です。

連絡手段や条件の優先順位は人によって違うため、顧客ごとに確認してください。

Q
大家との接点を、訪問営業以外にも作れますか?

A

対談の終盤では、Xで知り合った不動産会社との取引例が紹介されました。

検索・口コミ・動画・SNS・紹介をつなぐ方法は、不動産開業で営業しない集客は可能?で解説しています。

Q
宅建を取得した後、独立・副業・転職へどう活かせますか?

A

本記事では、資格に加えて取引や交渉の実務も必要だと整理しました。

進路ごとの活かし方は、宅建士が「最強の資格」と言われる4つの理由をご覧ください。

Q
店舗仲介で、紹介やリピートにつながる事業設計も知りたいです

A

本記事の対談は、収益物件の売買を中心にした内容です。

店舗仲介で継続案件を作る方法は、店舗仲介で売上1億円を達成した5つの戦略で詳しく解説しています。

まとめ:条件の数ではなく、顧客の目的から提案を組み立てる

今回の対談で見えたのは、付き合いたい担当者と付き合いたくない担当者の違いは、年齢や会社規模だけでは決まらないということです。

たまっちさんが見ているのは、次の5点でした。

  1. 難しい条件でも、守る条件と動かせる条件を一緒に考える
  2. 情報の希少性だけでなく、その物件を出す理由を伝える
  3. 年齢や宅建だけに頼らず、学び、交渉し、修正する
  4. 自社の売上より、顧客が買った後の利益を考える
  5. 一人を急かさず、複数の顧客と長く関係を作る

顧客の目的を理解し、理由のある提案を出し、違えば修正できる人が長く選ばれます。

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