\ 動画で見たい方はこちら /
管理を任された物件が、何か月たっても埋まらない。何を変えればよいのかわからず、手が止まっていませんか。
私は、1年間ずっと全空だった新築ビルの管理を引き継ぎ、約4か月で満室にしました。建物そのものは変えられないので、変えたのは集客の方法と見せ方です。
この記事では、満室にするために行った5つの打ち手を、前の管理会社の状況と合わせてお伝えします。
- 広告を絞って物件の希少性を出す考え方
- 共用部を専有部分にして賃料を安く見せる方法
- 事務所に強い不動産会社の集客力を借りるやり方
- 自分たちで使って気づいた物件の良さを募集に生かすコツ
- 管理が初めてでも空室を埋められた理由
- 管理や仲介の物件がなかなか決まらず、打ち手に迷っている不動産会社の方
- 店舗や事務所の仲介で、集客の方法を見直したい方
- 不動産で独立し、管理物件の空室対策も視野に入れている方
初めての管理で引き継いだ1年間全空のビル

管理は初めてでしたが、集客には強みがあると考えて、1年間全空だったビルを引き継ぎました。
1年間全空のまま管理会社を替えることになった
引き継いだのは新築のビルです。前の管理会社が1年間募集を続けていたにもかかわらず、何も決まらないまま、ずっと全空の状態でした。
しびれを切らしたオーナーさんが管理会社を替えると決め、コンペを経て、私たちが管理を任されることになりました。そこから約4か月で満室にしています。

くっつーさんは、管理には慣れているんですか?
慣れていません、今回が初めての管理です。ただ私たちは集客に強いので、そこで勝負しました
管理の実力は、まだまだ足りないと正直に思っています。それでも、厳しい状況にあるオーナーさんをなんとかしてあげたいという気持ちが強く、集客という自分たちの強みで勝負しました。
その気持ちが4か月で満室という形で叶ったことは、本当によかったと思っています。
広告が10件ほど出回り売れ残り感が出ていた
前の管理会社は大手でした。大手は何件も管理しているので、1件にかける時間が少なく、この物件への対応は行き届いていませんでした。
その表れが広告です。この物件は10社ほどの業者がネット広告に出していて、同じ物件があちこちに載る状態でした。出回り感が出てしまい、見る側には「売れ残っているのかな」という印象が強く出てしまいます。
条件設定がぐちゃぐちゃでオーナーの負担が増えていた
各フロアにトイレがあるのですが、使えるのか使えないのか、共用部として管理会社が扱うのか、線引きが整理されていませんでした。
共用部は、オーナーさんの費用負担で管理会社が清掃などを行う場所です。だから増えるほど手間が増えます。
共用部を作りすぎると、清掃などの手間が増え、その費用はオーナーの負担になります。
問い合わせへの対応が1週間後になっていた
スピードも遅い状態でした。問い合わせが来てからオーナーさんへの確認が届くまで1週間、内見の対応も1週間後です。
このビルには、1棟まるごと借りたいという方が現れたことがあります。進めてほしいと伝えたところ、対応が遅れて話がこじれ、消えてしまったそうです。
この状態を、私たちが管理を受けてからどう変えたのか。次の章で、5つの打ち手をお伝えします。
満室にするために行った5つの打ち手

私たちが行ったのは、広告の整理、共用部の見せ方、事務所に強い会社への営業、自社の移転、自分たちで気づいた良さの訴求の5つです。
- 広告をすべて止めて、自社だけで掲載する
- 共用部を専有部分にして、賃料を安く見せる
- 事務所に強い不動産会社へ営業に回る
- 自社の事務所を、このビルの1階に移す
- 自分たちで使って気づいた良さを訴求する
1. 広告をすべて止めて出回り感をなくす
最初に、広告を出していた全業者に連絡して、この物件の広告を今すぐ消してもらいました。1社に絞るのではなく、いったんすべてやめる形です。
オーナーさんからは、「もっと広告を出した方がいいのではないか」と言われました。それでも、いろいろな会社が出すと、条件も考え方も見せ方もばらばらになり、出回り感が出てしまいます。
そこで、その場で広告をすべてやめ、その後は私たちだけがネットに掲載する条件にしました。この会社にしかない希少な物件として見せる演出です。
大量に出回っているものより、ここにしかないものの方が、人は欲しくなります。
大量に売り出されているものは、あまり買いたくならないですよね。どこに行っても買えるものには、欲しいという気持ちがそれほど湧きません。
ウイスキーも同じです。100本ある状態より、「最近入手して、今はこの1本しかありません」と言われた方が手に取りたくなります。いかに希少性を演出するかは、とても大事だと思っています。
2. 共用部を専有部分にして賃料を安く見せる
エレベーターを上がると共用スペースとトイレがあり、その先に事務所が続くつくりでした。前の管理会社を含め、他の会社はここを共用部として扱っていました。
共用部は、オーナーさんの費用で管理会社が清掃などを行う場所です。専有部分にすると、借りる側が使い、清掃も借りる側が行います。
私たちは、ワンフロアを1社に貸す前提で、エレベーターを出た瞬間からすべてを専有部分にしました。これには2つの良さがあります。
面積が増えて賃料の単価が下がり、「この物件はめっちゃ安い」と問い合わせが急増しました。

清掃を借りる側がやる形だと、敬遠されませんか?
敬遠する方もいると思います。ただ、清掃は自分でやってくださいね、そのかわり周辺より安いですよと伝えました
これが結構刺さったようで、借り手が決まりました。
共用部を専有部分にして単価を安く見せたことが、見せ方でいちばんのポイントだったと思います。
3. 事務所に強い不動産会社へ営業に回る
私たちは事業用として店舗と事務所を扱っていますが、中心は店舗で、事務所はあまり扱っていません。そこで、事務所に強い不動産会社を数社ピックアップし、このビルを管理していることを伝えて、集客への協力をお願いしました。
近隣の不動産会社にも、手土産を持って挨拶に回りました。そのおかげで、仲介で決めてくれた会社もあり、とてもよかったと思っています。
自分たちが扱わない事務所の客層を、事務所に強い会社の力で補ったことが、仲介での成約につながりました。
同業の不動産会社を競合ではなく営業先として考える見方は、店舗仲介の営業先を5つ紹介した記事でも整理しています。
4. 自社の事務所を1階に移して覚悟を見せる
私たちの事務所を、管理しているこのビルの1階に移転しました。自分たちが入居して、覚悟を見せることが大切だと考えたからです。
1階に店舗や事務所が入っているかどうかで、ビルの印象は変わります。1階に私たちの看板が出て、入っている感じが出たことで、空気感も、人の流れも変わったと感じています。
前の管理会社は内見まで1週間ほどかかっていましたが、私たちは同じ建物の1階にいるので、いつでもおいでと言って、すぐに案内できます。
このスピード感は、1階に移転してきたことで叶いました。ビルに人の流れが生まれたことと、スピード感を出せたことの両方で、移転は非常によかったと思います。
1階に入ってから満室までの動きは、テナントの窓口の振り返り記事でも整理しています。
5. 自分たちで使って気づいた良さを訴求する
1階に移転して自分たちでビルを使ってみて、この建物の良さが分かりました。その良さを、募集で前面に出し始めました。良さは2つあります。
1つ目は、トイレが男女別になっていることです。5階建てで、ワンフロアごとに男女別なので、お手洗いは10個あります。
男女別の事務所は少なく、女性社員の受けが良いと、自社の女性社員が言っていました。それを取り入れて、募集で打ち出しました。
2つ目は、目の前が郵便局であることです。事務所は郵便物が多く、歩いて5秒でポストに入れられるのは、とても便利です。
郵便局が近くて便利という点も募集に入れたところ、決めてくれる人が増えました。
自分たちが入居して使ったからこそ、建物だけを見ていたら気づけない良さを、訴求に変えられました。
事業用に特化しているからこそスピーディに動けた

5つの打ち手を重ねた結果、約4か月で満室になり、オーナーさんにも喜んでもらえました。
1年間まったく決まらなかったビルが、約4か月で満室になりました。私もうれしいですし、オーナーさんにも喜んでもらえて、本当によかったと思っています。
ビルそのものは変えられません。変えたのは、広告の出し方、共用部の見せ方、営業先、事務所の場所、そして訴求の中身です。
事業用を専門にしているからこそ、スピーディで適切な集客ができたと、本当に思っています。
このビルの管理を取った経緯と、その後に満室になるまでの流れは、後日談の動画で話しています。
1年間決まらなかったビルが、5つの打ち手を重ねて満室になりました。
よくある質問
Q実際に入居したのは、どんな会社でしたか?
入居したのは、ホームページを運営する会社や製造会社など、いずれも事務所として使う会社でした。
事務所に強い不動産会社の仲介で決まったケースもありました。
Q店舗が中心の会社でも、事務所のビルを満室にできますか?
私たちが扱う割合は、店舗が約95%、事務所が約5%です。
だからこそ、近隣の不動産会社を訪ねたり、事務所に強い会社を数社ピックアップしたりして、集客への協力をお願いしました。
Q事務所を物件の1階に移すにはどれくらいの期間と費用がかかりましたか?
移転が決まったのは、移転日の約2週間前でした。12月1日の移転に向けて、11月15日に決めて、備品の購入や看板の発注を急いで進めています。
費用は、合計で約100万円かかりました。
Q男女別トイレや郵便局が近いことは、募集でどう伝えましたか?
物件の募集資料に「男女別々のトイレです」と入れ、内見のときにも強く押しました。
郵便局が近くて便利という点も募集に入れたところ、決めてくれる人が増えました。
Q広告を止めたとき、写真や広告の見せ方は変えましたか?
広告の見せ方は、ほとんど変えていません。あくまで出回り感をなくして、この会社だけが載せる希少な物件として見せる演出をしました。
まとめ
1年間決まらなかったビルが約4か月で満室になったのは、物件が変わったからではありません。広告の出し方、共用部の見せ方、営業先、自社の拠点、体験に基づく訴求を変えたからです。
店舗仲介や管理の実務を自分の状況に合わせて整理したい方は、公式LINEで配布している「店舗不動産実務チェックシート(50STEP)」をご活用ください。個別相談チケットを含む8大特典も無料で受け取れます。


