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開業から1年もたずにやめてしまう人には、共通する特徴があります。何を見直せば同じ失敗を避けられるのか、わからず不安な方も多いはずです。
宅建業免許の取得に200万円、事務所なども含めると300万円かかります。それでも1年持たずに廃業する人は多く、業界全体では毎年3,900社が廃業していると言われています。
私は独立した人と何百人と話してきて、廃業してしまった人の共通点が見えてきました。この記事では、数字の管理、集客、固定費、仕事の幅、人任せという5つの共通点を、私自身の経験と合わせてお伝えします。
- 共通点1:数字の管理が甘いと資金繰りが見えなくなる理由
- 共通点2:レインズだけで集客すると案件が決まらない理由と、元付けになる考え方
- 共通点3:開業初期に抑えるべき固定費と、路面店舗を急がない理由
- 共通点4:「何でもやります」で選ばれなくなる理由と、専門の絞り方
- 共通点5:宅建士や共同創業者に任せきりにすると失敗しやすい理由
- 不動産で独立を考えていて、1年で廃業する失敗を避けたい方
- すでに開業していて、資金繰りや集客に不安がある方
- 店舗仲介など事業用不動産での開業を検討している方
- 宅建士を雇う、または共同創業で始める予定の方
共通点1:数字の管理が甘い

会計ソフトを入れて、税理士さんと同じ数字を毎月見ることが、廃業を避ける最初の備えです。
1つ目は、数字の管理が甘い人です。当たり前に聞こえるかもしれませんが、私はこれが一番大きな共通点だと考えています。
税理士さんに任せきりにせず自分で数字を見る
税理士さんに依頼して、毎月の入金や会社の経営状況を把握している方は多いと思います。ただ、それだけでは人任せになってしまい、自分で管理しないと難しいと感じています。
私は独立1か月目から、クラウド会計のfreee会計を入れて、キャッシュフローの管理や月次の損益計算をしてきました。今月は赤字でも来月は黒字になりそうか、6か月後はどうなるかという見立てを立てるためです。
freee会計には税理士さんも招待して、2人で1つの会計ソフトを見ながら会社の経営状態を確認しています。今も続けているやり方です。
私は今、freee会計に月1万円ぐらい払っています。お金はかかりますが、税理士さんも招待して一緒に見ています

固定費が上がるのは、なるべく避けたいですよね?
導入しないと自社の数字の状況がわからなくなるので、マストで入れてほしいです
請求書の発行と入金のずれを把握する
会計ソフトを入れていないと、帳簿上のお金と実際のお金の動きがずれていきます。請求書を発行したタイミングで計上されるため、売掛になったままお金が追いつかなくなることもあるからです。
不動産は、契約時に仲介手数料が入ってこないケースもけっこうあります。私の場合も、店舗のオープン時に仲介手数料が入る契約があり、お金をもらえることはほぼ確定でも、オープンまで待つことがあります。
請求書を出したタイミングと入金のタイミングは違うので、入金と請求のずれを自分で把握できることが大事です。
会計ソフトでは、たとえば8月に請求書を出して10月末が入金予定なら、11月になった時点で未入金のアラートが出ます。振り込まれていないことにすぐ気づいて確認できます。
私も独立して3か月目か4か月目に、契約がないなかで残高がぎりぎりになったことがあります。そこからfreee会計で毎月の決算を確認するようになり、状況を把握できるようになって救われました。
手書きやExcelでは計算ミスが起きる
手書きやExcelで管理している人もいますが、意外と計算ミスが起きます。手書きで計算している場面を見たこともあります。
経費の管理も会計ソフトなら楽です。レシートを撮るだけで会社の経費として記録でき、個人の資金で払ったものは個人払いとして残せるので、あとで精算するときも楽です。
共通点2:不動産集客を甘く見ている

レインズの物件を客付けするだけでは決まらないので、元付けになってレインズに載せる側へ回ることが大事です。
2つ目は、不動産集客を甘く見ている人です。具体的には、レインズだけを見て、出ていた物件をネットに載せて集客している人です。
レインズは、不動産会社どうしが物件情報を共有する業者間のサイトで、一般のお客さんには見えません。物件を預かった会社が元付け、お客さんを紹介する会社が客付けで、元付けA・客付けBで仲介が発生します。
客付けは競合が多く勝ちにくい
レインズには、貸したい、売りたい物件がぶわっと載っています。あとはお店を出したい人や家を借りたい人を見つければ仲介手数料がもらえるので、簡単そうに聞こえます。
ただ、私の持論では、これはかなり不利です。1つの物件が出れば、B、C、D、E、F、Gと全国の不動産会社が一斉に動き、「この物件いいな」と思えば客付けしてきます。
客付けできても、オーナーさんが見送ることになったり、元付けの会社に振り回されたりします。競合が多く、人に左右されるので、確率的にも厳しいと考えています。
未経験ほどレインズが宝の山に見える
レインズを使えば集客できると考える人は、未経験の方が多いです。見たことがないので、物件が山ほど出ている宝の山に見えて、お店を出したい人や買いたい人に紹介すればいいと思ってしまいます。
ところが、2、3か月やってみると、レインズの物件は決まりません。ほかの会社に取られてしまうからです。
元付けの会社は自社で仲介したいので客付けは後回しになる
元付けの会社は、レインズに出して別の会社が入ると、仲介手数料を分け合う形になります。本来は倍もらえる報酬が取れなくなるので、できるだけ自分で集客したいのです。
そのため、自社で集客できたお客さんを優先し、できなかったときに客付けの会社へ依頼する流れになりやすいです。
私が嫌だったのは、「この物件は空いていますか」と元付けの会社へ連絡したときの対応が悪いことです。何件も連絡が来るので理由はわかりますが、イライラしてしまうので、私は客付けをやらないと決めました。
元付けになってレインズに載せる側へ回る
私が心がけているのは、元付けになることです。レインズを見る側ではなく、見させる側、掲載する側になったほうがいいと考えています。
そのために必要なのは、街を歩いて店舗物件を探し、オーナーさんを探して会いに行く泥臭い動きです。
時間がなかったり、利益が出ていて儲かっていたりして、なかなかできない気持ちはわかります。ただ、行動もせずにレインズだけを見てネットに出せばいいという考えは、不動産集客を甘く見すぎています。
広告費を払ってネットに出せば利益が出ると考える方は一定数いますが、小さな不動産会社が避けたい集客法を先に知っておくと、判断を誤りにくくなります。
共通点3:固定費が重すぎる

開業して最初の1年は、固定費を極限まで下げることが資金を守る一番の方法です。
3つ目は、固定費が重すぎる人です。一番お金がかかるのは人件費と家賃ですが、そのほかにも見落としやすい支出があります。
人件費は最初から増やさない
最初に1人で起業して1人でやるなら、人件費はかかりません。私は最初から人を雇うことをおすすめしていませんし、まず自分でやることが大事だと伝えています。
それでも、いきなり社員を入れる人はいます。社長だからという思考だったり、スタートアップのように仲間と始めたりするのでしょうが、私はこれはどうなのかなと思います。
路面店舗は1年目に構えない
私は横浜市緑区の自宅から、固定費ゼロで始めました。そこから事務所を移転して、ようやくいい場所に路面店舗を構えています。
もし1年目で路面店舗を構えていたら、半年ぐらいで資金が尽きていたと思います。今は千代田区に移転し、千代田区のオーナーさんから熱烈なオファーもいただいていますが、数年たった今だからできていることです。
路面で開業することには価値がありますが、1期目にやるのはやめたほうがいいと考えています。
家賃以外にどんな負担が増えるのかは、路面店を出す判断基準で具体的に確認できます。
税理士報酬や広告費も見直す
固定費は人件費と家賃だけではありません。税理士報酬は月2万円から3万円が相場と言われますが、いきなり月3万円はきついと私は感じました。
私は最初、月1万5,000円ほどで依頼していました。それでも決算で20万円かかり、年間では三十数万円と、けっこう重い支出でした。
広告費は、私たちのテナント仲介では激安で、今月は4万円まで減りました。住宅の仲介では広告費をかけるのが当たり前なので、そこにお金をかけすぎるのも重い負担です。
ホームページの保守運用に月2万円を払っている人や、SNS運用にいきなり数十万円を払っている人もいます。私たちも払っていますが、土台ができたうえで払っているものです。
土台がないなかで何となく払い始め、1年間やめられないと、あっという間に資金が尽きます。固定費は極限まで下げることが大事です。
共通点4:何でもやってしまう

独立したての時期に何でもやりますと広げても選ばれにくいので、扱う分野を絞ることが大事です。
4つ目は、何でもやってしまう人です。住宅も店舗も事務所も駐車場の管理も、仕事があれば全部やります、という人のことです。
何でもやらせてくださいでは強みが伝わらない
Threadsを見ていても、「不動産開業しました。何でもやらせてください。何でもやりますので、いつでもDMまでご連絡ください」という方がけっこういます。
これでは強みや特徴が伝わらず、選ばれにくくなります。住宅の売買と店舗だけというように、2つぐらいに絞ってもいいと思います。
専門外の仲介で友人に迷惑をかけた私の失敗
私自身、店舗専門と言って独立しながら、何でもやる方に流れてしまった経験があります。
私も店舗専門と言って独立したのに、知人のアパートの仲介をやって、友人にめちゃくちゃ迷惑をかけました。やり方がわからないまま引き受けたことを、今も反省しています
何でもやると、仕様ややり方がわからないまま進めることになります。
独立したての時期に幅広く何でもできますと言うジェネラリストは、お客さんに選ばれなくなっている時代です。
古くからの不動産屋と同じ総合型は真似できない
街で見かけたとても古い不動産屋さんに、「住宅、店舗、事務所、倉庫、土地、駐車場、不動産のことはお任せください」という看板が掲げてありました。何をやっているのかはわかりませんが、そういうお店は儲かっています。
地元で何十年も管理をやってきたので、マルチにやる理由はわかります。ただ、最初からそうだったわけではなく、つい最近始めた人が、競合が増えてオンラインで何でも完結する今の世の中で、何でもやりますと言うのは良くないと思います。
住宅とテナントの二本立てはうまくいく
住宅の仲介をやりながらテナント仲介も手がけて、うまくいっている人がけっこういます。住宅は成果が早めに出て、テナントは半年かかることもあるので、いいバランスで安定していると聞いています。
住宅の不動産を5、6年やってきて、少し飽きてしまったので、テナントにも参入したいという人は相性がいいと感じます。住宅の仕様もわかり、住宅でも稼げる人が、テナントを足すとうまくいくからです。
何でもやりますではなく、住宅の売買だけ、または住宅の売買にテナントを足すくらいに、専門を持つのがいいと考えています。多くても2つか3つまでにして、賃貸住宅はあまり手を出さないほうがいいです。
どの分野に絞ればよいか迷う方は、専門特化で勝つ10ジャンルと3つの選び方を参考に、自分の経験と照らし合わせてみてください。
共通点5:人任せにする

社長が動かずに宅建士だけに任せる体制は、成功確率が圧倒的に低くなります。
5つ目は、人任せの社長です。不動産は宅建士がいないと開業できないので、宅建士を雇って始める方がいます。
宅建士に任せきりにしない
宅建士を雇う場合は、2つのパターンがあります。宅建士を雇って社長自身も動くパターンと、社長は動かず、雇った宅建士だけに動かせるパターンです。
圧倒的に成功確率が低いのは、後者です。最近聞いた例では、社長が案件を持ってきて宅建士の人に渡しても、その人がまったく動かず、連絡も取れなくなったとのことでした。
その会社は宅建業免許を取り下げ、その宅建士の人とは別れました。また宅建士を雇おうとしても、宅建士の人材は枯渇していて、採用にもお金がかかります。
共同創業はお金で揉めやすい
共同創業も、うまくいった例を見たことがありません。100人中1人ぐらいは「何が悪い」と言う方がいるかもしれませんが、私が見てきたなかでは、共同で始めた人でうまくいった例はありませんでした。
人任せになる部分が出たり、「お前はやっていないのに、俺はこんなにやっている」となったりして、お金で揉めます。お金に起因した揉めが一番多いです。
芸人さんのコンビがギャラの割合で揉める話に近いと感じます。取り分を決めていればいいのかもしれませんが、決まりがなく、いつでもいくらでも決められる状態だと、バチバチになりやすいです。
株を100%持つ代表者を1人にする
私がおすすめするのは、株を100%持つ代表者が1人いて、その下に誰かが入ってくれる体制です。
下に入る人は、取締役なのか執行役なのかはわかりませんが、そうやって入ってもらうのがいいのではないかと私は思います。
5つの中でも、私が一番大きいと考えているのは数字の管理です。会計ソフトを入れて、税理士さんと同じ数字を見るところから始めてください。
よくある質問
Q会計ソフトはfreee会計とマネーフォワードのどちらがよいですか?
クラウド会計としては、マネーフォワードとfreee会計が有名です。私はfreee会計を入れていて、どちらも便利だと感じています。
大事なのは、導入して税理士さんと同じ画面を見ながら一緒に管理することです。
Q会計ソフトはいつから入れるのがよいですか?
私は独立1か月目から入れて、キャッシュフローの管理や月次の損益計算をしてきました。
独立して3か月目か4か月目には、契約がないなかで残高がぎりぎりになったこともあり、その時期から毎月の決算を確認するようになって救われました。
Q元付けになるにはまず何から始めればよいですか?
私たちの場合は、街を歩いて店舗物件を探し、オーナーさんを探して会いに行く地道な動きから始めます。
レインズを見る側ではなく、レインズに掲載する側になるために、泥臭い行動が欠かせないと考えています。
Qどうしても共同で創業する場合はどうすればよいですか?
私がおすすめするのは、株を100%持つ代表者を1人にして、その下に取締役や執行役として入ってもらう形です。
お金に起因した揉めが一番多いので、取り分の決まりを持たないまま始めるのは避けたほうがいいです。
Q路面店舗はいつ構えてよいですか?
私が路面店舗を構えているのは、数年たった今だからできていることです。
1期目の開業では、やめたほうがいいと考えています。
まとめ
1年で廃業する人には、数字の管理、集客、固定費、仕事の幅、人任せという5つの共通点があります。私が独立した人と何百人と話してきた中で、共通して見えたことです。
これから独立する方は、この5つを自分に当てはめて、準備を見直してみてください。
すでに開業している方は、まず数字の管理と固定費から見直すと、動きやすくなります。固定費の整理には、公式LINEで受け取れる不動産独立開業リアル固定費一覧(月100万円)が役に立ちます。ほかにも7個の特典があり、個別相談チケットを含めて全部で8大特典です。


